川崎医科大学 大槻 剛巳 2007.5.28. |
植木絢子教授上梓の書籍紹介 |
「知られざる科学者 ペッテンコーフェル」 環境医学の創始者 カール・ヴィーニンゲル 著 植木絢子 訳 の 紹介 |
現在,日本免疫毒性学会評議員をお務めいただいており,以前には,理事もお勤めいただいておりましたます,前 川崎医科大学 衛生学 教授(現 川崎医療福祉大学)植木絢子先生が,完訳なさいました「知られざる科学者 ペッテンコーフェル」を上梓なさっておられます ここに,表紙とタスキを紹介致します。 |
また,序文には,やはり日本免疫毒性学会の理事・評議員・運営委員をお務めるで,また,日本衛生学会の理事長もなさってらっしゃいます大阪大学大学院医学研究科 社会環境医学講座 森本兼曩 教授からの推薦文が掲載されております。 一部を抜粋させていただきますと 「歴史上有名なペッテンコーフェル教授とコッホ教授のコレラの原因論争についても,この伝記者は深い共感の目でその事実を記述している。 ・・・(中略)・・・ この伝記を読んだ後に知るペッテンコーフェル自身の考えは,そのような単純なものではなかった。 ・・・(中略)・・・ そもそも発症要因は複合的に把握すべきものとしており,原因物が体内に侵入した際,共存する他の環境因子や,今でいう遺伝素因(体質)ともいうべき要素が発症を決定すると考えていたことのほうが重要であろう。事実,彼はコレラが流行した地域をほとんどすべて自身で訪れ,地盤地質調査を行い,また井戸地下水位の測定をして発症推移との関係を地図とグラフにまとめて考察している。 ・・・(中略)・・・ 今,先進国の医学医療は,がん,循環器疾患,糖尿病などの代謝疾患,そしてアレルギーなどの生活習慣病の予防治療に加え,ナノ粒子,感作性物質,内分泌霍乱物質などの全く新しい環境有害因子の制御など,大きな困難にぶつかっている。これらの解決に向かって私たち医学に携わる者はすべて日夜,研究教育努力を続けているのが現状であるが,このようなとき今一度我々の所作を,百数十年前のペッテンコーフェル教授のちと汗に重ね合わせてみるのも,意義深いことと考える。」 会員の皆様も是非,ご一読くだされば,医学研究の歴史の一つの場面を見つめるだけでなく,それぞれが現在行っている医学研究の,本当の礎となる探究心を揺れ動かされる想いに突き動かされるものと思います。 出版元は,風人社で,http://www.fujinsha.co.jp/ をご参照ください。 また,微力ながら植木教授の後,教室を任されております大槻(takemi@med.kawasaki-m.ac.jp)に連絡を下さっても,対応いたします。 よろしくお願いします。 |